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事故物件の売却は売りづらい?

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事故物件の売却は売りづらい?

 

Q:事故物件を所有しています。売れるのか心配です…。

 

「告知事項あり」の物件、いわゆる“事故物件”に関する相談は少なくありません。皆さんに共通しているのは「売れるのだろうか?」「売れるとしたら、いくらで?」という悩みです。不動産、特に建物に関しては、基本的に買った途端に価格が落ちるもの。それに“事故物件”というマイナス要素が加わってしまったらどうなるのか、不安になるのはわかります。そこで今回は、事故物件についてご説明しましょう。

 

緩和された事故物件の定義

 

事故物件は先の法改正で定義が変わりました。以前は、たとえば病死や自然死で亡くなり、その1カ月後に発見されたといったケースも告知していました。しかし、あまりにも高齢者の独居世帯が多くなり、前述のケースが増加したため、自殺や事件性がないものに関しては告知しなくてもよくなったのです。

 

法改正に国が動いた理由は、我が国の不動産事情が深く関係しています。ご存知のように、日本の不動産は建物の資産価値が目減りしていくのが慣例になっています。一方、欧米では、古いものを使い続けることに価値を置く文化があるため、アンティーク系の家屋に人気があるなど、資産価値が向上するケースが多く見られます。

 

不動産の資産価値に関しては、100年住宅を推進するなど、建物の耐用年数を増やす方向に流れを作りたい国が気にするのは当然と言えるでしょう。

 

日本の不動産事情は、不動産のオーナーにとってリスクが高すぎます。病死や自然死はともかくとして、自殺や事故・事件が起きた物件は価値が著しく低下してしまいます。なかでも最も価値が下がるのが殺人事件の発生した物件で、8,000万円程度の物件が5,000万円ほどに下がることも珍しくありません。ケースバイケースではありますが、自殺があった物件は1割〜2割、殺人事件では2割〜3割は価値が低下すると見ても良いかも知れません。

 

あまりにも安いのでプロが見れば事故物件は一目瞭然です。これを逆手にとり、告知事項をあえて掲載せずに物件情報をインターネットで告知し、お客様を呼び込むような悪質な会社も残念ながら存在します。相場よりかなり安いので、当然大きな反響を呼びますが、現地を案内する際に「実は……」と事故物件であることを伝えるわけです。お客様にしてみれば、「なんだよ、最初に言えばわざわざ見に来ないのに」とガッカリですよね。

 

事故物件も値段次第で売れる!?

 

法改正により事故物件の扱いが変わってきたおかげで、自然死や病死に関しては事故物件の扱いにはならなくなりました。とはいえ、死後3日から1週間程度が限度。いくら病死でも、1カ月間も発見されないと住まいは悲惨な状態になりますから、告知すべきだと思います。

 

実際のところ、普通なら不動産会社は告知します。お客様は遅かれ早かれ、事故・事件の話を周囲の住人から聞くことになるからです。もし、お客様が住みはじめてから事件を知り、「そんなこと聞いてないよ。だったら買ってない」となると裁判沙汰になる可能性があります。そうなったら大変です。隠して売ると後で大変なことになるのです。

 

また、ある地方の不動産会社が10年前の事件を告知せずに住宅を販売してしまい、告訴されたケースがあります。事件の多い都市部では、よほど大きな事件でない限り、10年前の出来事など風化してしまいますが、静かな田舎町となると皆覚えているもの。そして、販売した大手不動産会社は「事件は風化していない」ことを理由に裁判で負けました。

 

では、事故物件は売りづらいものなのでしょうか。結論を申し上げると、事故物件は値段次第です。プロに任せれば買う人は必ず見つかります。実際、告知事項ありの事故物件にしては強気の価格を設定していたマンションがありましたが、すぐに買い手が見つかった例もあります。事故物件はプロに任せるのが得策と言えるでしょう。

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